4月を迎え、自転車も気持ちの良い季節となりました。
4月1日より法改正があり自転車を運転する時は、”全ての年齢を対象にヘルメットを着用する”ことが努力義務となりましたね。
「努力義務」とはどういうことなのでしょうか?
初めて聞く言葉に戸惑っていらっしゃる方のためにわかりやすくご案内します。
また、ヘルメット着用の効果とメリット・デメリットについて掘り下げます。
ヘルメット着用の努力義務とは
「努力義務」というのは「罰則のない決まり」を指します。
【今日から】大人も自転車利用時のヘルメット着用が努力義務に。 https://t.co/CoDCLqGwX0
— FASHIONSNAP (@fashionsnap) April 1, 2023
2023年4月1日より道路交通法改正により、ヘルメットの着用義務が課される事となりました。
大人も子どもも年齢に関わらず、自転車を運転する人全員にヘルメットを着用する努力義務が課されたということです。
これまでにも自転車に乗る親子でお子さんがヘルメットをかぶっている姿を見かけたことがあるでしょう。
これは2008年、「13歳未満の幼児や児童が自転車に乗る時はヘルメットを着用させる」という規定の元保護者に対しての努力義務だったのです。
今回の法改正では、13歳を超える年齢も対象となった訳ですから他人ごとではありませんね。
メリット
では”ヘルメットをかぶる事にどんなメリットがあるのか?”についてまとめました。
- 転倒時の頭部への致命傷を防げる。
- 転倒時の頭部への怪我から守られる。
- 安全への意識が高まる。
- 交通法規に対する再認識
2022年埼玉県内では、自転車に乗っていた16人が死亡し、全員がヘルメットを着けていなかったということです。
警察庁によりますと、
ヘルメットを着けずに事故に遭った時の死亡率は0.54%で着用していた時の2.6倍になる
https://news.yahoo.co.jp/articles/f57dbbce7f5bad4a87b75548dbe28a71e580ef64
自転車の交通事故で死亡した人の6割が、頭部のケガでなくなっていると言いますから自転車事故の危険性がよくわかりますね。
手軽に乗れる自転車ですが、ヘルメットを被ることでこうした危険を防げるのは大きなメリットと言えます。
デメリット
ヘルメットをかぶる際のデメリットとは何があるのかまとめました。
- かぶり慣れていない違和感がある
- 蒸れそう
- ダサい
- 髪型が崩れるからいや
どうしてもかぶり慣れていない事から「恥ずかしさ」や「面倒臭い」といった感情的な拒否が漂っていますね。
ヘルメットの着用効果
実際に着用を義務化している海外に続き日本もようやく着用に関する意識が高まってきました。
その効果は先に挙げましたメリットからも分かるように、安全面での改善と言えます。
【自転車を利用するすべての皆さん】
本日から全年齢自転車ヘルメット着用努力義務化!
自転車に乗るときは「カチッと!!」してから出掛けましょう。 pic.twitter.com/C35VSnQF6K— 埼玉県警察本部交通部交通総務課 (@spp_koutusoumu) March 31, 2023
考えられる効果
- 転倒時の最悪の状況から身を守れる
- 事故の被害にあった際の補償額の違い
- 自転車保険の対象となる保証が付加される可能性がある
昨今自転車は電動自転車の普及もあり、急速にスピード化が進んでいます。
意図せず道路の状況(デコボコや砂利)により転倒した際に、直接道路に投げ出されてしまう危険があります。
顔や頭部への怪我ばかりではなく、重大な事故に発展したり交通死亡事故につながったりと自転車は車両であるという意識が必要です。
ヘルメットの着用により、転倒時の最悪の状況から身を守れる効果に期待が高まります。
道路交通法に詳しい高山俊吉弁護士によると、「頭部にけがをするような事故の被害者となり、民事裁判で訴えた場合、『着用を怠った』として賠償額が減額される可能性もあります」
着用により、賠償にも影響が出ると弁護士も語っています。
努力義務化に際して自転車向け保険の新サービスも登場しています。au損害保険です。ヘルメット着用中の死亡事故で、保険金とは別に100万円が支払われる(追加保険料は不要)といったものも登場してきている
自転車保険も今後続々と新サービスが増えていく傾向です。
お持ちの保険の補償や案内を確認してみてはいかがでしょうか。
ヘルメットの種類やおすすめ
ヘルメットを着用するならどのようなものが良いのかまとめました。
横からの衝撃にも対応する、安全面にも考慮されてますよというSGマーク(セーフグッズマーク)のついているものがおすすめです。
ヘルメットの構造としては「外殻シェル」と「ライナー」の二重構造となっています。
ライナーは発泡スチロール製で、頭を包み込みます。
外殻シェル部分は、ポリカーボネート樹脂だと軽量で首への負担も少ないためスポーツタイプに多くあります。通気性もよく蒸れたり熱がこもったりする心配が少ないのが特徴です。
ABS樹脂の外殻シェルは、ポリカーボネートより重めです。オシャレなキャップタイプに使用され、丈夫でオシャレカジュアルな帽子タイプにも使用されています。
自転車ヘルメットに適さないもの
ヘルメットなら何でもいいと思われがちですが、実は用途によりその構造も違っているため適さないものもあるのです。
防災用や工事用ヘルメットは適さない
頑丈で落下物など上からの衝撃にから頭を守ってくれます。
しかし、自転車での転倒といった横からの衝撃にはそこまで強くない為、自転車用ヘルメットとしては不向きです。
自治体からの補助金もある
法改正により自治体でも様々な取り組みを始めています。
例)東京・足立区では、新品ヘルメットが2000円引きになります。
対象)①SGマークの付いた3,000円以上の商品を買った場合②区内の対象店での購入③区民が対象
期間)2026年3月末まで施行
都内の例を挙げましたが、他にも自治体により様々なサービスが開始されています。ご自身の自治体でもご覧になってみるのもおすすめです。
まとめ
2023年4月より交通法改正により自転車のヘルメット装着が努力義務となりました。
法的罰則が現在はないとはいえ、JAFによると、ヘルメットをかぶっていないときの衝撃は、かぶっている時に比べて17倍もあるそうです。
今まで着用せずに走っていたのが怖くもなりますね。
法改正されたと言うことはそれだけ重大な事故が多かったと言うことです。家族の安全を考えた策を取りたいですね。